症状から原因を探す早見表
| 症状 | いちばん多い原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 布の裏に糸がたくさん絡まる、ループになる | 押えを下げたまま上糸をかけた | 押えを上げて上糸をかけ直す |
| 縫い始めに裏で糸が団子になる | 糸端を押さえずに縫い始めた | 上糸と下糸を押えの下から後ろへ10 cm(4 in)ほど引き出し、軽く持って縫い始める |
| 裏の糸が1本の線になる | 上糸が弱い、または上糸のかけ方の誤り | かけ直す。直らなければダイヤルの数字を大きく |
| 表の糸が1本の線になる | ボビンの入れ方の誤り、または上糸が強い | ボビンを入れ直す。直らなければダイヤルの数字を小さく |
| 布が縮む、つれる | 上糸が強すぎる、針目が長すぎる | 糸調子と針目を合わせる |
| 目飛びする | 針の付け方、針と布の組み合わせ、曲がった針 | 針を付け直す、布に合った針に替える |
| 上糸が切れる | 針と糸の太さが合わない、上糸が強い | 布と糸に合う針に、糸調子を確認 |
家庭用ミシンの説明書にも、「糸調子が合わない原因は、糸かけやボビンのセットが誤っていることがほとんど」とあります。ダイヤルを回す前に、まずかけ直しから。
なぜ押えを上げてかけるの?
上糸は、ミシンの中の「糸調子の皿」という2枚の円盤のあいだを通ることで、ほどよく引っぱられています。押えを下げているとこの皿が閉じていて、糸が皿のあいだに入りません。すると上糸がまったく引っぱられず、ゆるゆるのまま布の裏に送られて、ボビンのまわりで絡まってしまうのです。
JUKIの説明書でも、押えを下げたまま上糸をかけると、布の裏やカマにたくさん糸が出てからむことがあると注意されています。
直す順番
- 電源を切り、糸を全部外す。布の裏で絡まった糸は、はさみで切ってから布をそっと外します。無理に引っぱると、カマに糸が残ります。
- 押えを上げ、針をいちばん上に。はずみ車を手前に回して、天びんと針をいちばん上に上げます。
- 上糸をかけ直す。説明書の番号どおりに。天びんにかかっているか、糸の通り道を指でたどって確かめます。
- ボビンを入れ直す。糸の出る向きは、ミシンの説明書の図どおりに(水平がまの多くのミシンでは、糸が左回りに出る向き)。溝に糸をしっかりかけます。
- 糸端を後ろへ。上糸と下糸をそろえて、押えの下から後ろへ10 cm(4 in)ほど出しておきます。
- 端切れで試し縫い。本番と同じ布を2枚重ねて、表と裏の縫い目を見比べます。
- 必要ならダイヤルを調整。ここではじめて糸調子のダイヤルを少しずつ回します。
縫い目の見え方で糸調子を読む
糸調子が合っていると、上糸と下糸が布の厚みのまんなかで交わり、表にも裏にもきれいな縫い目が並びます。上糸と下糸を違う色にして試し縫いすると、どちらが強いかひと目でわかります。
| 見え方 | 意味 | ダイヤル |
|---|---|---|
| 裏に上糸がループになって出る | 上糸がゆるすぎる(多くはかけ方の誤り) | かけ直してから、数字の大きいほうへ |
| 裏が1本の線、表に上糸ばかり見える | 上糸が弱い | 数字の大きいほうへ |
| 表に下糸の点が見える | 上糸が強すぎる | 数字の小さいほうへ |
| 表が1本の線 | ボビンの入れ方の誤り、または上糸が強い | ボビンを入れ直してから、数字の小さいほうへ |
ダイヤルは一度に半目盛りから1目盛りずつ。回すたびに試し縫いして、変えるのは1か所だけにしましょう。いくつも同時に変えると、どれが効いたのかわからなくなります。
それでも絡まるときのチェックリスト
- ボビンの糸がゆるく巻かれていない? 下糸のふわふわした巻きも、絡まりや糸調子の乱れのもと。巻き直しましょう。
- ボビンはミシン指定のもの? 形や高さが少し違うだけで、糸が乱れます。
- カマにほこりや糸くずがたまっていない? 針板を外し、ブラシで送り歯とカマを掃除します。
- 針は曲がっていない? 平らな面の向きと、奥まで差し込まれているかも確認。
- 針と糸の組み合わせは合っている? 細い針に太い糸だと、上糸が切れたり、縫い目が乱れます。
- 縫い始めの位置は? 布端ぎりぎりから縫い始めると、布が針板の穴に引き込まれやすくなります。端から5 mm(3/16 in)ほど内側から。
縫い始めに絡まらないコツ
- 上糸と下糸を、押えの下から後ろへ10 cm(4 in)ほど引き出しておく
- 最初の2、3針は糸端を軽く持って、はずみ車を手で回してもよい
- 針を布に刺してから押えを下げ、ゆっくりスタート
- 薄地は、下に薄い紙を敷いて縫い、あとで破り取るときれいに縫えます

SewNQuiltのミシン教室とStitch Check
SewNQuiltのミシン教室には糸調子のレッスンがあり、まずかけ直す、2色の糸で試す、合った縫い目の見え方、裏にループ、表に下糸、裏に上糸、そして変えるのは1か所ずつ、まで図でひとつずつ確かめられます。カマのお掃除のレッスンもあります。
縫い目の写真をStitch Checkで撮ると、Pipが縫い目を見て、どこをどう直せばいいかを教えてくれます。困ったときは、いつでもPipに質問。あせらず、ひとつずつ。ミシンとまた仲良くなれます。

よくある質問
ミシンで布の裏に糸がぐちゃぐちゃに絡まるのはなぜ?
多くは、押えを下げたまま上糸をかけたことが原因です。上糸が糸調子の皿に入らず、ゆるいまま裏に送られて絡まります。押えを上げて、上糸をかけ直しましょう。
下糸が悪いの?上糸が悪いの?
裏で絡まるときは、ほとんどが上糸です。表に下糸が出る、表の糸が1本の線になるときは、ボビンの入れ方を確かめましょう。
糸調子のダイヤルはどちらに回す?
裏にループができる、裏が1本の線になるときは、数字の大きいほうへ。表に下糸が見えるときは、数字の小さいほうへ。どちらも、かけ直しとボビンの確認をしてから、少しずつ回します。
縫い始めだけ絡まるのは?
糸端を押えの下から後ろへ10 cm(4 in)ほど引き出し、最初の数針は軽く持って縫い始めると防げます。布端から少し内側で縫い始めるのも効果的です。
ボビンの向きはどっち?
ミシンによって違います。説明書の図どおりに入れましょう。水平がまの多くのミシンでは、糸が左回りに出る向きで入れます。
掃除で直ることはある?
あります。カマや送り歯に糸くずがたまると、絡まりや目飛びの原因になります。電源プラグを抜き、針板を外してブラシで掃除しましょう。
関連ガイド
出典
- JUKI HZL-HT720 取扱説明書(上糸のかけ方の注意、ボビンのセット、上糸調子の合わせ方、お手入れ、故障かな・・・というときは) https://www.juki.co.jp/household_ja/vc-files/doc/pdf/HZL-HT720_manual.pdf (2026年10月31日確認)
- SCHMETZ「FAQs」(目飛び、糸切れと針の関係) https://www.schmetzneedles.com/pages/faqs (2026年10月31日確認)
画像クレジット
- 針に糸を通す手元:cottonbro studio(Pexels、ID 6660927) https://www.pexels.com/photo/a-close-up-shot-of-a-person-putting-a-thread-in-a-needle-6660927/
- アプリ画面:SewNQuilt(実際のスクリーンショット)
- 図:SewNQuiltの作図エンジン

